編集部のひとこと

白くまが自伝を書き、編集長のオットセイに原稿を見せる。そんな始まりの『雪の練習生』を、冬の休憩のおともにどうぞ。一話完結の短編ではなく、三代を追う小説です。今日は少し読んで、次の休憩にはその続き。家族の行く先が気になる楽しみを、少しずつ持ち越せます。

この記事の内容 +

あらすじ|祖母からトスカ、クヌートへ続く白くま三代

最初の主人公は、サーカスの花形だった白くまです。膝を痛めて事務職に移り、やがて自分の人生を書き始めます。できた原稿を読んでもらう相手は、文芸誌の編集長をしているオットセイ。動物なのに仕事をし、文章を書いているところが、この小説の不思議な入口です。

祖母のあとには、娘のトスカと孫のクヌートが登場します。トスカはサーカスで女曲芸師と芸を披露し、クヌートは動物園の人気者に。同じ家族でも、人間との付き合い方も、暮らす場所も変わっていきます。

休憩ごとに少しずつ読む、二つの楽しみ

語り手が替わる三代の物語

「祖母の退化論」「死の接吻」「北極を想う日」の三部をたどるうちに、語り手も白くまの祖母から人間の女性、クヌートへと交替します。同じ家族を追っていても、人間と動物のどちらの側から読むかが変わる。不思議な暮らしに加えて、語り手が替わる面白さもある小説です。

次の休憩に、続きを読む

336ページの小説なので、短い休憩に読むのはその一部分。昼食後に祖母の話を少し読み、帰りの電車で続きを開く。冬のあいだに少しずつ追う物語を探しているなら、この白くまの家族をどうぞ。

新潮文庫と電子書籍があります。家で紙のページをめくる日も、通勤中にスマホで続きを開く日も。読みたい形に合わせて選べます。

参照した公式情報・商品情報

新潮社 ↗